キヨスイ(@kiyosui_goraku)です。
NanoWalletのマルチシグネイチャーの理解が深まったので、まとめておきます。
マルチシグネイチャーってなに?って方は参考にしてください。
マルチシグネイチャーとは?
NanoWalletの機能で、XEMやモザイクたちを共有ウォレットとして扱える機能です。巷では『マルチシグ』と呼ばれています。(以下マルチシグ)
例えば、5人で1つのウォレットでXEMの管理をしたい場合などに使えます。使用方法は少し込み入って難しいですが、この記事を読めばわかるのでしっかりと読んでください(後述)
出金や各種サービスを使用する際にもマルチシグを活用すれば、民主主義的にウォレットを運用していくことが可能。
5人でマルチシグを使うとします。その時にAさんが出金のトランザクションを出した場合、他の方の承認が必要になってきます。
承認されれば、出金できますが承認されなければ出金できないということ。出金だけではなく、何をするにも承認が必要になってきます。
ざっくり説明しますとこんな感じです。下記に渡って細かく説明していきますね。
マルチシグネイチャーの使い方。
使い方、少し難しいのでテストウォレットを作って実験していくことをオススメします。
手数料もかかりますので、10XEMくらい勉強代として突っ込んでください。
ウォレットをマルチシグ対応にする。
NanoWalletからウォレットを作成してください。作成方法はこちらの記事に詳しく書いてあります。
関連記事:初心者でもできるNanoWalletの使い方!XEM(NEM)ユーザーはマストアイテムだぞ!
ウォレットを作成したら、『サービス』から『アカウントをマルチシグに変更』をクリック。
注意点ですが、マルチシグにしたウォレットは元に戻せませんのでテスト用のウォレットを1つ作ることをオススメします。
こちらの画面に切り替わります。
『マルチシグ変換するアカウントの秘密鍵』を入力してください。秘密鍵さえ知っていれば、変換するアカウントでログインしていなくてもマルチシグに変換できます。
その後に『連署アカウント』を追加してください。これはマルチシグを操作できる権限を持ったアカウントということです。自分の他のウォレットのアドレスを入力すればOKです。
連署アカウントは必ずNanoWalletのアドレスで設定してください。
複数人数の設定が可能で、共同でウォレット管理するアカウントのアドレスを入力していくことで操作できる権限を持っている人が増えます。
『最小署名者数』は下記に渡って説明します。今は『1』で設定しください。
全ての入力が終わったら、『送信』をクリック。(手数料が0.5XEMかかります。)
トランザクションが成功すれば、マルチシグウォレットの完成です。
『連署アカウントを追加』で追加したウォレットにログインして下さい。マルチシグのウォレットが操作できるようになっています。
連署アカウントを追加していく。
連署アカウントを追加していくことで、マルチシグのウォレット権限を持っている人が増やせます。共同で運用したい方のウォレットを追加していくイメージですね。
『サービス』から『既存コントラクトを編集』をクリック。
『アカウントの編集』で先ほど作ったマルチシグウォレットのアドレスが表示されるはずなので、選択してください。
『署名者の追加・削除』に追加するウォレットのアドレスを入力します。
追加するアカウントは出金操作を1度以上しているアカウントじゃないと追加できません!
次に『最小署名者数の相対変化』の設定です。
ここに入れる数字によって、5人中3人の承認が得らればトランザクションが実行されるなどの必要承認人数の設定ができます。
署名者を追加すると右側に追加されたアカウントの情報が出ます。
右にある『最小署名者数』の数字が必要な承認数ということです。なので、画像の場合は4人中3人の承認があれば、トランザクションは実行されるということ。
トランザクションを起こした人+2名ということです。
5人目を入れる場合、最小署名者数を3のままにしたければ、『最小署名数の相対変化』を0で入力して、5人目のアカウントを使いすれば5人中3人の承認があればトランザクションは実行されるという設定になります。
-1で入力すれば、5人中2人に。1を入力すれば5人中4人になります。
5人中の3人が結託して悪事を働こうとしない限り、自由にマルチシグの操作ができないということです。
あとはパスワードを入れて『送信』を押すだけでアカウント追加ができます。
ちなみに1人入れるごとに手数料が0.65XEMかかりますので、ご注意下さい。
マルチシグで送金してみる。
連署アカウントにしているウォレットにログインして、『送金』をしてみようとすると『マルチシグ』のタブが出ているはずです。
こちらから、送金することでマルチシグウォレットから送金できるということ。
この行動にもみんなの承認が必要になってきます。
送金方法は個人で送金するのとあまり変わったことはありません。ただ、手数料が高いということですね。
マルチシグウォレットからの送金ということで、通常より0.15XEMの手数料が取られます。
送金すると未承認が1になります。
他のメンバーは『サービス』から『マルチシグトランザクションの署名』で確認できます。
アカウントの下をクリックしてください。
こんな感じのウィンドウが出てきます。
黄緑のところにパスワードを入力すれば、承認したということになります。
否認するには、24時間放置していると勝手に消えてくれるそうです。(ただいま実験中)
要するに承認するか、シカトするかの二択になるということです。
何のトランザクションにもこの署名が出てきますので、色々と試してみてください。
アプリの署名はパスワードいらず!
NEMウォレットのアプリからでも承認できます。
ただ、パスワードなしで『確認』を押しただけで承認してしまいます。
この『確認』ボタン1つで承認されますぞ!お気をつけを!
アプリから承認できるのは便利ですが、簡単承認すぎて怖いのが正直です。
PCから承認することをオススメします。
秘密鍵は全員で共有しよう。
無理にとは言いませが、マルチシグウォレットで運用していく場合は、秘密鍵を全員で共有することをオススメします。
物理的な破損で、マルチシグウォレットにアクセスできなくなるという事態になっても他の方が秘密鍵を持っていれば、復元できます。
通常のウォレット扱いと違って、秘密鍵を知っていてもトランザクションを好きなように動かせません。外部に漏れたとしても、安全は保証されているはずです。
でもなるべく、マルチシグウォレットに関与している人以外には秘密鍵は漏らさないようにしておくべきですがね...
スーパーハッカーに渡ったりしたら、何されるかわかりませんので。そのあたりは自己責任でよろしくお願いします。
この記事では、秘密鍵の共有をオススメしていますが、共有することで、デメリットもあるかもしれないということをお忘れなく。
マルチシグのメリット。
使ってみた感想としてメリットをまとめておきます。
- 複数人数で運用できる。
- 会計には向いている。
- 承認人数を自由に決められる。
- 安全性が高い。
こんな感じですね。複数人数でXEMを運用するときにすごい使えるって感じです。
マルチシグのデメリット。
- 手数料がバカ高い。
- 結託されて裏切られたら終わり。
- メンバーのコミュニケーションが必要になってくる。
これらですね。とにもかくにも手数料の高さです。何をするにもマルチシグ手数料が入ってきます...
だから、細かい出金などのトランザクションはあまり行わないのが理想です。
あと一番不安なのが、結託されて裏切られるという。お金を持ち出されたり、出金しなきゃいけないときに出金できない...
こんなことが起きる可能性はあります。人数が増えれば増えるほど、可能性高まりますので要注意!よってコミュニケーションは大事になってきます。
最後に
マルチシグの使い方はざっくりこんな感じです。あとは、応用をきかせていくだけ。
使ってみると簡単に覚えられますので、ぜひテストしてみてください。
NEMならこんなこともできるので、やっぱりNEMは面白い!
XEMを購入する方は、「Zaif」が安くてオススメです。本人確認に時間がかかりますので、お早めに登録どうぞ。
それでは、また。
事故の事例が出ました。
マルチシグウォレットを作成する時に連署アカウントの設定を取引所のアドレスで設定してしまったという事故が出ました。
取引所のアドレスを連署アカウントに設定するとマルチシグウォレットの操作は全くできなくなります。
権限を持っているウォレットはNanoWalletで操作できませんから。
必ず連署アカウントはNanoWalletのウォレットアドレスで設定してください。