キヨスイ(@kiyosui_goraku)です。
ブロックチェーンゲームで最も使用されているイーサリアムブロックチェーンの規格「ERC-721」についての説明です。
ERC-20とERC-223について知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
関連記事:イーサリアムブロックチェーンの技術規格「ERC-20とERC-223」とは?
ERC-721とは?
▼基本情報
- Ethereum Request for Commentsの略
- 721はToken Standard 721の略
- イーサリアムブロックチェーンの技術の規格
- イーサリアムでトークンを発行する技術
- 代替え不可能なトークン(Non-Fungible Token = NFT)
- 表現型(Phenotype)の情報が組み込まれている
- 遺伝型(Genotype)の情報が組み込まれている
これらを把握しておけば、ユーザーとしては大丈夫でしょう。特に下3つが重要なので、こちらを重点的に説明していきます。
代替え不可能なトークン(Non-Fungible Token = NFT)
ERC-721はERC-20やERC-223とは全く別のベクトルで作成された規格です。代替え不可能なトークンというところに大きな特徴があります。
代替え可能なものと不可能なもの違いから説明していきましょう。
▼代替え可能なもの
- 法廷通貨(円、ユーロ、ドルなど)
- 産地、品種が同じ食べ物
- 同じ機種のゲーム機
この辺りは代替えが可能ですね。ゲーム機で言うと型番が違くても同じ機能を搭載していれば代替え可能です。不良品が出た時でも交換できますね。
法廷通貨も同じです。「100円はこの100円じゃなきゃダメだ!」って気にする人は、ほとんどいません。たまにギザ10円を集めている人とか例外はいますが、価値としては代替え可能なものです。(そもそもの目的がそう)
ERC-20トークンは代替え可能なものとして、開発されています。
▼代替え不可能なもの
- 土地
- 芸術作品
- サイン
- オーダーメイド作品
この辺りのものは、代替え不可能なものになっています。代わりのものはなかなか見つからないはず。
特に芸術作品やオーダーメイド作品なんかは、代替え不可能ですね。その時に作ったものならではの価値が存在してしまいます。
この代替え不可能なものとして、機能しているのがERC-721トークンになります。
表現型(Phenotype)
ERC-721トークンの特徴のひとつ、表現型(Phenotype)というものがデータとして含まれています。
CryptoKittiesで例えると猫の外見のことです。これがERC-721トークン全て(全ての猫)に別の遺伝子情報が組み込まれているので、猫の外見が違うわけです。
これによって交配すると、親の外見を引き継ぐこともできるという仕組みになっています。
CryptoKittiesの外見でブラウザ上に見えている猫のグラフィックは、運営が管理しているようです。あくまでERC-721はデータとしての外見の遺伝子情報を持っています。
簡単に言うと、人間の見た目ってみんな違うじゃないですか。これはDNAで親から受け継いだもので形成されています。似たようなな形成がERC-721でもできるということ。
人間の顔の様にトークンごと情報が違うということです。
遺伝型(Genotype)
こちらは、外見には現れない遺伝子情報が組み込まれています。これもトークンごとにみんな違います。
この機能がついているから、Etheremonなどのモンスターって個体値があるじゃないですか!同じ外見のモンスターでも能力を変えることができるということです。CryptoSagaも同様ですね。同じヒーローでも能力値が少し違うという!
人間に例えると、双子でも能力やスキルって違うじゃないですか!この辺りを表現してくれている機能として把握してください。
個人的にはこの機能はブロックチェーンゲームを作り上げるのに一番、重要だった機能じゃないかな?と思っています。
まとめると...
ERC-721は
- 代替え不可能なトークン(Non-Fungible Token = NFT)
- 表現型(Phenotype)の情報が組み込まれている
- 遺伝型(Genotype)の情報が組み込まれている
これらが今までのERC-20と全く違う概念であって、ブロックチェーンゲームを確立しているところと言えるでしょう。
わかりやすい使用例
ETH.TOWNがわかりやすい例になっています。
β版にてヒーローはERC-721の規格を採用します( *`ω´)
— 【公式】ETH.TOWN(イーサタウン) 日本コミュニティ (@eth_town_ja) 2018年4月18日
ETITはERC-20です!
- ETITトークン:ERC-20
- ヒーロー:ERC-721
となっています。
ETITトークンは代替え可能なERC-20を使っています。代替え不可能にする必要性がないんですよね。ゲーム内トークンなので。
ヒーローたちは、ERC-721を使っているので、見た目、能力、アビリティーに違いがあります。カスタムキャラをイーサリアムのトークンとして作成できるのもERC-721だから成せることということ!
こうやって、同じゲームでもERC-20とERC-721を使用することがあるということです。
ERC-721を使うメリット
ゲームにフォーカスしたメリットを書きておきます。
- イーサリアムブロックチェーンを使っていればクロスゲームができる
- 交換、売買がより簡単に!
大きなメリットはこれらになります。
当ブログでもなんども言っている、クロスゲームができるようになります。
ドラクエのアイテムをFFに持っていくみたいなことが可能になるということ。これは革新的で今までのゲームになかった機能です。
現に「Ethercraft」と「ChainMonsters」がクロスゲームのパートナーシップを結んでいます。
関連記事:EthercraftとChainMonstersが提携!チェンモってみんなで呼ぼうぜ!
さらに交換、売買が簡単になります。AのゲームのアイテムとBのゲームのキャラを交換なんてこともできますし。ETHを使って売買なんてことも簡単にできます。
マーケットプレイスはたくさん出てきているので、要チェックです!
関連記事:ブロックチェーンゲームのアイテム売買サイトまとめ。勇気がある方は使ってみてください。
以上のような今までのゲームにないメリットが可能になりました。もちろん、ゲーム以外の使用用途はたくさんあります。
最後に
少し難しい話になりましたが、こんな感じです!今後もイーサリアムブロックチェーン上の規格は増えてくると思います。
これらが増えることで、ゲームなどの発展もあるのでチェックしてみてください。
それでは、また。