出典:http://tweez.net/IkariMovie/
ども!キヨスイ(@kiyosui_goraku)です!
『怒り』を観てきましたので、批評を!
こちらの記事は、超有名映画批評サイト「超映画批評」の批評を批評していこうという内容です。 映画、批評に対して得点も付けていきますので参考にしてください。
得点表はこちらの記事に記載されているのでご確認下さい。
概要・あらすじ
監督 李 相日
出演者 渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、妻夫木聡
『悪人』『横道世之介』などの著者・吉田修一の同名小説をもとにした映画『怒り』が2016年9月17日に公開されます。
監督を務めるのは、『許されざる者』『フラガール』などを手掛けた李相日。2010年の『悪人』に続き2度目となる吉田修一とのタッグに加えて、渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛など、日本映画界を代表するオールスターキャストが結集します。
「怒」という血文字を残して未解決となった殺人事件を巡って、千葉、東京、沖縄の3つの舞台で描かれる群像劇となっています。
ある夫婦が惨殺された現場に「怒」の血文字を残して未解決となった事件から1年後。犯人は「山神一也」という人物だと判明するものの、整形手術をして逃亡を続けています。
疑わしいとされるのは3人の男。千葉県・房総の田代哲也、沖縄の離島にいる田中信吾、東京都内の大西直人。
それぞれの地でそれぞれの男に出会う人々の葛藤を描く群青劇です。
キヨスイの批評(ネタバレ)
80点 1つの写真で紡いでいく映画。最高にサイコパス
東京、千葉、沖縄と3つの場所のストーリーが平行して進むこの映画。東京のストーリーは妻夫木聡と綾野剛、千葉は渡辺謙、宮崎あおい、松山ケンイチ、沖縄は森山未來と広瀬すず。
まずは、広瀬すず意外の出演俳優たちの徹底した役作りに感動した。特に目立ったのはこの3人、渡辺謙の親父っぷり。宮崎あおいの7kg増量。妻夫木聡のゲイ。
この3つはクロスすることなく、映画が進んで行くのだが「山神一也」という犯人を中心に上手に紡いでいってあった。
八王子殺人事件で夫婦を殺害し逃亡中の山神一也。この山神一也の整形前の公開写真が絶妙な写真を使っている。
松山ケンイチ演じる「田代哲也」、森山未來演じる「田中信吾」綾野剛演じる「大西直人」の誰が犯人でも納得できる写真となっている。
この写真がとても映画の3つのストーリーを紡ぐ役割を想像以上に果たしていた。全く演じていない犯人の顔写真が一番の役者だったんではないか?とも言えるほどだ。
「田代哲也」「田中信吾」「大西直人」の3人とも観客が犯人ではないか?という怪しい点を持っていいた。だが犯人は一人。この映画は3人とも別々の結末を持っている。
田代哲也(松山ケンイチ)のケース
前歴が不明で、槙洋平(渡辺謙)の元で働く青年。愛子(宮崎あおい)に恋をされ一緒に住むことに。
テレビで放映されていたワイドショーがキッカケで、山神一也ではないか?という疑惑をかけられてします。
そして愛子(宮崎あおい)が警察に通報し、警察が指紋鑑定をする。田代哲也は山神一也ではなく、「ヤナギモトコウヘイ」という人物だった。彼は犯人ではなかった。
愛子が東京駅まで迎えに行き、ハッピーエンド。
大西直人(綾野剛)のケース
住所不定の状態で、藤田優馬(妻夫木聡)と出会う。 優馬はゲイなことから2人は付き合うことに。そのまま妻夫木聡のところに住むことになるが、何かか怪しいと大西を優馬が怪しみ出す。
カマをかけて何かを探ろうとした妻夫木聡の元から大西は失踪してしまう。数日後ワイドショーを見たキッカケで大西は山神一也ではないか?と疑い始め、調べる優馬(。
そんなことをしているところに、駒沢警察からの電話。やっぱり大西は山神一也だったと確信して焦って何も知らないといい通す。
が、大西は山神一也ではなかった。彼は施設で育ったため身寄りがなかった。そして生まれつき心臓が弱く、公園でのたれ死んでしまった。
優馬は彼のことを察することができず、酷く後悔する。
田中信吾(森山未來)のケース
ここまで読んだ人はわかると思うが、彼が犯人です。
沖縄の無人島に籠るなぞの青年です。泉(広瀬)と無人島で出会い仲良くなる。そして泉と辰哉と那覇市で3人で飲みに行った帰り、泉が米兵にレイプされる。
それを見ていたが、足が震えて腰が抜けてしまって何もできなかった。と辰哉に告白するがそれは、嘘。
彼は楽しんで泉を見ていたのだ。そして彼の籠る無人島の壁にはこう書かれていた。
- 「米兵にやられている女を見た 知っている女だった ウケる」
- 「どっかのおっさんがポリスって叫んで終了」
- 「逃げずに最後までやれよ米兵」
- 「女気絶 ウケる」
そして八王子殺人事件の現場にもあった「怒り」の文字がある。
これを辰也が見つけてしまい、田中を問い詰める。そうすると田中は真実を笑いながら話始める。最高にサイコパスだった。
辰也はハサミを使って、田中を殺害。殺害したことにより田中が山神一也と判明し事件は解決に向かう。
今回の、「怒り」という題材で様々な怒りがいろいろなところで垣間見れた。僕の稚拙な文章では言い表せられないくらい、題材と映画の訴えるものがリンクしていた。もちろん、終始「怒り」というワードが出るわけではない。
とにかく、映画から「怒り」が出ているのだ。
話は変わるが、沖縄での米兵によるレイプはまだあるのだろうか?この映画がリアル過ぎて悲惨すぎると感じた。女の子だけで、沖縄に遊びにいくなんて極めて危ないのではないか?と感じてしまうほど。
実際のところはどうなんだか、すごく気になるところでもある。
「悪人」でもメガホンを取った、李 相日監督は森山未來の扱い方が100点満点だった。彼の今まで培ってきたキャリアなどをフルに活用していたイメージだ。
頼りない彼、頼れる彼、サイコパスな彼。すべての引き出しを出してくれた。
そして、映画が最高に盛り上がるタイミングは、田代の指紋鑑定が終わった瞬間だ。ここの演出はありがちだが、坂本龍一の音楽とともに最高の盛り上がりを見せてくれた。
悪人にはなかった派手さとも感じられ、僕は鳥肌ものだった。
ここからストーリーは急展開し、田中が犯人というところまで到達する。
ひとつだけ、汚点をつけるとするなら最後のシーンを広瀬すずに任せたことだ。やはり最初よりは映画の出演本数も増えて、演技は上手になってきているものの、まだまだ大根役者。
彼女に最後のシーンを任せたのは少し荷が重かったのではないか?と残念な気持ちが入ってしまった。
この映画は一人で見に行ってください。ファミリー、カップルのムービーではありません。PG-12もついている以上に過激な題材なので、観に行くタイミングをお間違えないように。
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前田さんの批評を批評(抜粋して批評していきます)
*批評がアップされたら追記します。