キヨスイ(@kiyosui_goraku)です。
34歳無職さん。7巻がすごい。というかやっとダークな部分が出てきて、一気に主人公に引っ張られました。
34歳無職さん (7) (MFコミックス フラッパーシリーズ)
今までの34歳無職さん。
会社の倒産をキッカケに無職さんになることを決めた主人公です。
どこかポジティブで前向きで、無職生活を楽しんでいるところが、僕には見えていました。
離婚歴あり、子供も産んだことがあるというバックグラウンドを持っているにも関わらず、そこまで悲観的な感情に読者を引っ張ることなく、6巻まで淡々と話を進めていてくれた。
特に何もない日常を「無職さんあるある」で埋め尽くして、読者を飽きさせないように読ませてくれていたのは、圧巻でしたが...
どこか物足りない...ちょっと僕の無職時代とは違う...という感覚に陥っていました。
それらを全て7巻で回収してくれています。
この孤独感こそ、無職さん。素晴らしい表現がされていました。
無職の味。
道端でりんごを買う無職さん。高い方と安い方を迷って、安い方のりんごを買います。
公園は花見のシーズンで、みんなはブルーシートを敷いて花見をしている。
そこに誰にも見られることもなくポツンと一人でいる無職さん。
そのまま、家に帰る。そしてりんごを食べる。
りんごを食べると「…無職の味 か…」とつぶやく無職さん。
ここの表現が素晴らしい。無職さんの孤独さを100%表現できているというか...
長期期間、無職になったことのない人はわからないと思いますが、この何も満たされない味。まさに『無職の味』なんですよね。
自分が食べたくて買ってきたりんごなのに、全く美味しくない。さらに不味くもない。
本当に花見のシーンから最高の孤独感を打ち出してくれて、一気に主人公に引っ張られました。
お仕事なにをしてるの?
ご近所さんに「お仕事なにをしているの?」 と聞かれて、とっさに嘘をついてしまった無職さん。
無職さんの答えは「在宅でモノ書きを...」と答えてしまった。
この気持ちは、すごいわかります。
無職ということだけで、白い目で見られたり、様々な心配ごとが起きたり、自分に対しての無駄な自己嫌悪が起きたりします。
それらの様々な感情が入り混じってしまい、咄嗟についてしまう嘘。
僕もこの質問には、けっこう堪えてたな...「何もしてない。」って答えてたけど。
無職さんだと人と会うことも少ないので、聞かれることが、そもそもあまりないんですけど...
合コン的な飲み会とか行ってしまうと必ず聞かれますからね。
「ん?何もしてない。」っていうと、最初はほとんど誰でも信用してくれませんでしたけど(笑)
無駄に精神を削っていたという、思い出が呼び起こされました(笑)
寝れない夜。
無職さんにとって、絶対あるのが「起きれない朝」と「寝れない夜」
起きれない朝は、完全に怠けから起こるモノでカサンドラ症候群のような強烈な鬱になっていない限り、ほとんどが怠け(笑)
それと同時に起きる、寝れない夜。
これにはいくつか種類がありまして...精神的に不安定になってしまったゆえの寝れない夜は、本当に厄介です。
友達の個展の招待状が届く。
それを見て、「偉いなぁ...」を感じる無職さん。
おそらく、現状の自分と比較をしてしまったんではないでしょうか。
そして、夜。寝れない...
「…いいんだ」
「私はこうするのがよかったんだ」
と布団の中で自分に言い聞かせるように、寝る無職さん。
この孤独感!素晴らしいですよ!まさに無職さんの孤独感です!
この寝れない夜にずっと悩まされている無職さんは、多いはず。
7巻は、無職さんのダークサイドが全面に書かれていて、 やっと無職さんって感じなんですよね。
最後に
全8巻の「34歳無職さん」ですが、ここまで無職さんのダークサイドを描かれているのは、7巻だけです。
7巻が最強に無職さんの悪いところを全面に出してくれていて、本当に説得力がある。
これから、無職さんになろうとしている人たちは必ず7巻...いや全巻の「34歳無職さん」を読んでから、無職の道を選ぶか考えて欲しいですね。
少しの休憩で無職になる方。
仕方なく無職になる方。
様々ですが...無職のモデルケースがここにありますので、必読です。
それでは、また。