キヨスイ(@kiyosui_goraku)です。
DMM.com ブロックチェーン研究室の河西さんに開発中のdApps「Quest(クエスト)」インタビューの後編です!
前編はこちらにありますので、まだ読んでいない方はこちらをどうぞ!
関連記事:【DMM.comブロックチェーン研究室】河西さんにdApps「Quest」を聞いてきた!前編
- DMM.com ブロックチェーン研究室 河西さん
- ここまで苦労話について
- 報酬目当てのコメントの課題
- 今後のロードマップってどうなってます?
- 最後に一言お願いします
- 3/15のALISラジオで使います
DMM.com ブロックチェーン研究室 河西さん
合同会社DMM.comブロックチェーン研究室所属のDesign Strategist, UI/UXデザイナー。地域情報出版社のサービスデザインからキャリアをスタートし、フリーランスのWeb開発者やコンサルタントを経て現職。デジタルコマース事業のグロースや開発チームの組成などに携わる。ビジネス設計からテックもこなすユーティリティなデザイナーとして、DApps(分散型アプリケーション)の開発とデザインワークのチーム共業を推進。
引用:https://amzn.to/2tijULX
著書:試して学ぶ スマートコントラクト開発
ここまで苦労話について
キヨスイ:「Questを開発していくのに苦労したことはありますか?」
河西:「2018年の最初に事業として弊社の持っている事業と組み合わせて早い段階で売上を作る前提で動いていた時期がありました。
その後、世の中を騒がすハッキング事件でブロックチェーンって大丈夫なの?と社内で問題視され、まだ事業化は早いんじゃないか?という判断に迫られました。」
キヨスイ:「確かに大きい企業になれば、リスクは大きくなりますから納得です。」
河西:「もともと20人いた人員をもっと絞って、研究室という方向に持っていこうとなりました。」
河西:「イケイケで広げた風呂敷を一気にたたむように最低限のプロダクトを作れる人員にしていこうってなった時のメンバーのモチベーションは最悪ですよね(笑)」
キヨスイ:「あはははは!そりゃそうですね。(笑)」
河西:「ホントにガタガタで、世界の終わりじゃないか?なんで、こんなところに足を踏み入れてしまったんだ?みたいな雰囲気でした。今まで描いていたビジョンが全て崩れ去ってしまったんですよね。」
キヨスイ:「プロダクトを作るための人員ですが、開発メンバーはdAppsの知識はあったんですか?」
河西:「2018年前半には実用的なdAppsってほぼ、なかったじゃないですか。開発メンバーもサービス作る経験とスキルは持っているものの、ブロックチェーン技術の知識は十分とは言えない状態。なので、え?なに作る?みたいなところからスタートでした。」
キヨスイ:「そこから今のQuestまで、どのように進めていったんですか?」
河西:「まず、自分たちが何をしたい?というところから考えました。それで、自分たちは学習をしたいよねってなったんです。」
キヨスイ:「ブロックチェーンの?」
河西:「そうです。ただ、学習のための良いコミュニティー、成熟してるコミュニティーってあるの?って疑問が出てきました。当時は詐欺的イベントもあったりしたので、自分たちも困ったんです。
そこでコミュニティーの成長を助けられるようなdAppsを作れたら良いんじゃないか?というのが出てきました。」
キヨスイ:「黎明期ならではのコミュニティー未完成度がヒントになったんですね。」
河西:「たまたま僕がUI/UXデザインを経験していたということもあり、UXのデザインプロセスを勉強してみない?ということで社内でワークショップをしました。」
河西:「そこでイベントのユーザーUX体験プロセスをみんなで考えました。」
キヨスイ:「具体的にどのような内容ですか?」
河西:「ここがガッカリした、ここはキャンセル率に影響しないとか、実際にイベントに足を運んでチームで話し合いました。
そこで気づいたのが、パネルディスカッションの満足度がイベント自体の満足度やゲストの学習効果に大きく影響という仮説が生まれました。」
キヨスイ:「なるほど!Questが徐々に見えてきましたね。」
河西:「そこで我々の作るプロダクトの実現したいシナリオが見えてきて、モチベーションも上がってきました。あと、同時にHi-EtherというイベントでQuestプロトタイプを使って頂けるという話をもらえたので、目標になりましたね。」
キヨスイ:「チームって大変ですね...」
報酬目当てのコメントの課題
キヨスイ:「今はイーサリアムのテストネット(Ropsten)ですが、メインネットに移行した時の課題って見えていますか?」
河西:「メインネットに移行した時に報酬だけ目当てのコメントが乱立してしまったら、ダメだなと思っています。」
キヨスイ:「何か対策は考えていますか?」
河西:「まだ設計が足りていない部分はありますが、イメージはできています。
小さいインセンティブができたことでユーザーの行動が変容するという実験が徐々にできている面があるので、面白いなと思っているところがあります。」
河西:「イベントに貢献することで、アカウントのレベリングやスコアリングというものは応用できると思っています。
仮想通貨を所有するまでの難易度を下げることで、一般的なユーザーが参入しやすい仕組みにできると考えています。
そして結果的に勉強していたら、稼げていたという体験を作れると思っています。(金銭以外の価値も)」
キヨスイ:「なるほどですね。」
河西:「今後はゲスト同士の投げ銭や、登壇者やライブ配信者・翻訳者など立役者への報酬設定。Ethereum以外のチェーンを利用した利用できるトークンに幅をもたせたりを考えています。」
今後のロードマップってどうなってます?
河西:「まず、2月21日にBlockchain Tokyoでライブ中継をして他拠点で展開をします。」
キヨスイ:「どんな感じにですか?」
河西:「Youtubeか何かでライブ中継を使い、ライブを会場に居ない人に見てもらって、Questを使ってもらうということです。」
キヨスイ:「スポーツのパブリックビューイングみたいな感じ?」
河西:「そうです!なんだったら、バーや自宅でもできたら良いなって思ってます。」
キヨスイ:「ライブ中継とか動画と紐付けていくのは、絶対良いと思います。この記事の内容だって今インタビューしながら、動画の方が絶対良いって僕思ってますからね(笑)」
河西:「次のQuestのステップをどこにするか?ってなったら、例えば30人くらいしか入らない会場でも借りるの大変じゃないですか。」
キヨスイ:「そうですね。」
河西:「それがスポーツバーから参加したり、電車の中から参加したりしてQuestを通して現場の温度感を維持したまま、イベントに参加できる形を作っていきたいと思っています。」
キヨスイ:「それが、ホスト側も自宅で一人でできたら超楽ですよね。」
河西:「そうですね。誰でもミニマムで学習できる場を作れて、東京や地方とか関係なく、質の高い学習の場を継続的な提供が実現できるように手助けできればと思っています。」
キヨスイ:「Quest自体に新しい機能を加えることはありますか?」
河西:「Questのルーム内でゲストがゲストに投げ銭する仕組みを考えています。」
キヨスイ:「それは、いつ頃ですか?」
河西:「できれば、BlockchainTokyoで考えていますが...明言はできません(笑)」
河西:「ちなみにCryptoBowlで使わせて頂いたときの意見などを元に実装機能は検討しています。いいねをつけて欲しいのか?投げ銭のシステムなのか?アンケート機能なのか?などいくつかあります。」
キヨスイ:「今のところ、3つの機能実装が有力ですか?」
河西:「そうですね。あとツイッターとの連携を考えています。」
キヨスイ:「具体的にどんな感じですか?」
河西:「ツイッターにイベント内容を発信している方多いじゃないですか。この人がQuestもツイッターもってなると何かと忙しいので、上手いこと連携できないか?ってのを考えています。」
最後に一言お願いします
僕たちDMMブロックチェーン研究室では、日々多くの議論を重ねています。よく話にでてくる内容としては「技術」や「思想」は単体ではいくら優れていても、なんの役にも立たないということです。
サービスの提供先や、あらゆる経済圏の中には、必ずユーザー(人間)存在しています。
だからこそUX(ユーザー体験)デザインが大事って話はよくでてきますが、我々がブロックチェーンをはじめとした「技術」を活用するにあたっても、絵に書いた餅ではなく「モノ」で語り、実査を繰り返していかねばならないと感じています。
我々の場合はまず「Quest」というプロダクトを通し、課題だらけのこの業界でタフに開発していきたいと考えています。
DMMっぽい開発やデザインをどんどんしていきたいので、これからもそうご期待下さい!
3/15のALISラジオで使います
3月15日(金) 20:00~のALISラジオで実験的に使わせて頂くことが決定しました。
正直、学習とは少しずれてしまいますが...
コミュニティー、イベントという視点で完全オンラインで使ったらどうなる?みんな使える?ラジオが活性化する?
などのポジティブ、ネガティブの両方の面でどうなるか?っていうのを見たくて実験します!
前週の3月8日(金)の最後に登録方法やチュートリアルを紹介しますので、ぜひとも2週連続遊びに来ていただきQuestを触れて頂ければ嬉しいです。
それでは、また。