キヨスイ(@kiyosui_goraku)です。
Hulu で「リップヴァンウィンクルの花嫁」が配信されていたので、鑑賞。
良い意味で疲れる邦画というものを久しぶりに見せていただきました!
さっそく、感想、ネタバレをバシバシ書いていきます。
- リップヴァンウィンクルの花嫁 概要
- 3時間の乾燥した空気感。
- あれ?黒木華さんこんな感じだったけ?
- 流れ着く人生ってこんな感じなんだろうな。
- 死の恐怖をカットしてフォーカスを変えない。
- たっぷり感のある邦画を見て大満足です。
- この映画がオススメな人。
- Huluを登録するなら、bitFlyerから!
- 最後に
リップヴァンウィンクルの花嫁 概要
▼監督
- 岩井俊二
▼キャスト
- 黒木華
- 綾野剛
- Cocco
- 原日出子
- 地曵豪
- 和田聰宏
- 金田明夫
- 毬谷友子
- 夏目ナナ
- りりィ
▼あらすじ
派遣教師の皆川七海(黒木華)は「教師」という仕事は好きだが、全くの不向きだった。生徒からはバカにされ、まったく情熱を持てずに働いていた。彼女はSNSで知り合った男性と結婚することになる。ネットショッピングで買い物をするようにあっさりと結婚までたどり着く。結婚式で親戚も友人も少なかった七海は、「なんでも屋」の安室(綾野剛)に代理出席を頼むことにした。これが安室との出会い。その後、義理の母に気に入られず別れさせ屋を使われ離婚することになってしまう。安室のツテで奇妙なバイトを紹介される。自分が依頼した結婚式の代理出席であった。そこで里中真白(Cocco)という人物と知り合う。次に安室から依頼を受けた仕事が「メイド」の仕事。屋敷に向かうとすでに真白が住み込みで働いていた。真白と七海は全く真逆な性格をしているが、七海はそんな真白に惹かれていく。大きな屋敷で2人の奇妙な生活が始まった。
3時間の乾燥した空気感。
3時間ですよ!最近の映画であまり見ない3時間!しかも邦画!!
3時間になるくらいだったら、だいたい前編後編にわけますからね、最近は。
ぶっちゃけ観る前は、3時間ももつ邦画ってあるんかい!?って思っていたのが正直なところ。どんだけこの子に色んなこと起きるんだよ...
ってちょっと斜に構えた感覚で再生ボタンを押しました。
いやー。もちます。全然、3時間いけちゃう。いい感じでいろいろな事が主人公に降りかかる。
あと絵の撮り方が群を抜いて上手なんだわ。乾燥した空気感という言葉がピッタリかな。
もちろん映画はカラーなので、色はあるんですけど、絵が乾燥しきっている。
見終わったあとに思い出そうとすると、白、黒、あとちょっとの色くらいしか思い出せない感じの絵になっています。
これが僕の言う『乾燥した空気感』なんですが。
はっきり言って、この映画の主人公みたいなことはそうそう起きない。けど、乾燥した空気感で共感を呼んでいるんですよ。
この空気感は誰もが一度は味わったことのある空気感であって...
もちろん、こんな怒涛に出来事はおきないんだけど、自分の人生を切り取ったらこんな空気感の時期ってあったよな。って自分と比べながら映画を見進めていくことができる。
この空気感のおかげで僕は3時間見続けることができましたね。
となると主演の黒木華さんは、必須。
あれ?黒木華さんこんな感じだったけ?
僕の黒木華さんのイメージは、「重版出来!」がとにかく大きいんですよ。
素朴なんだけど、元気でまっすぐな役が似合うという。
関連記事:ドラマ「重版出来!」面白かった!漫画界の裏側が見える!役者陣が豪華すぎて、ガッチガチでしたね。
今回は全然ちがう。何をやっても不器用、上手くいかない。なんとなく結婚してしまった。
そして、自分の人生にどこかポッカリと穴が空いた状態になっている。
もうね、こっちの役の方が似合うんですよ。すごい似合う。近くにいたら手を差し伸べたくなる感じがする。と同時になんかイラつきも覚えるような役柄になっていた。
ルックスが素朴な女優さんなので、変に「嘘だよこれ!」ってならないところがGOODポイントでした。
もちろん、彼女自身の演技力もあると思うんですけどね!
流れ着く人生ってこんな感じなんだろうな。
この映画の主人公は主体性がほんっとにない!っていうか見つけられていない。
流れるように生きている。ほんと悪い意味でね。
僕は逆なんですよ。流れるのは嫌いで全部自分で決めていきたいタイプ。
自分が行きたいところに行って、自分がしたいことをして、自分が知りたいことを学んでってね。
でも見ていて、ここまで流れに身をまかせるというのもある意味勇気だなと感じた。
流れに身を任せれば、任せるほど人生がドラマチックになっていく。もちろん、映画だからというのもあるけど。流れていくとこんなにドラマチックになるの?ってちょっと興味はある。
「僕もこんな感じに流れに身を任せる勇気があったら、近い実体験できるのかな」って思ってしまったよ。
同時に自分から流れを作ったり、流れに逆らおうとすることは場合によっては、恐怖心から生まれてくるものなんだなと実感。
自分の勇気のなさに気付かされました。
結果的に主人公の七海は真白という女性と出会って、すこしづづ人生の豊かさを取り戻していく。
この姿を見て、極限は自分でどこに行くか?流れてどこに行くか?はさほど重要じゃなくて、そこに着いた時に何を見つけられるか?というのが重要なんでしょうね。
死ぬまでのほとんどがプロセスと取ると、最後に何を見つけるか?ってのが人生の豊かさが決まってくるのかなって。
死の恐怖をカットしてフォーカスを変えない。
真白という女性は、自分が癌で余命があまりないことがわかっている女性でした。
そこに七海を呼んで、友達になってほしかっただけ。
この真白という女性の死への恐怖心を全面的にカットしていたのが、かなり好印象だった。
最後のウェディングドレスを着て、2人でベットで横になるシーン。ここでチラッと恐怖心が見え隠れしたけど、気づかない人は気づかないレベルの恐怖心。
これだけ、死の恐怖心をカットしてくれたことによって、七海がビックリしながら悲しむことがすごくリアルに見えた。
この映画は人生論的なものが主だけど、生死は関係ないんですよ。
これがまた最高で。だから死んでいく人が登場人物に出てきたとしても、死への恐怖はカット!
あくまでフォーカスを七海から動かさない。でも七海は自分から動かない。フォーカスは七海で、動いていくのは周り。
そこから、七海の心境の変化を楽しむもの。
まるで、きゃりーぱみゅぱみゅのライブパフォーマンスのよう。
たっぷり感のある邦画を見て大満足です。
- アイディア一発勝負でもない。
- 役者のガチガチ固めでもない。
- 派手さで押すわけでもない。
こんな感じの映画ではなく、バランスをとにかく大事にする映画でした。
だから3時間のたっぷり感にも退屈がやってこない。本当に良い映画をみたなって感想です。
休日の午後にでもHulu でこの映画を楽しんで頂きたいですね。時間感覚を一瞬だけ忘れさせてくれるかも。
この映画がオススメな人。
- 岩井俊二監督が好き。
- 乾いたヒューマンドラマが好き。
- 自分の人生が流れているように感じている。
こんな人にオススメです。
こんな作品が好きな人にもオススメ。
- 永い言い訳
- 海街daiary
- 舟を編む
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最後に
いやー、映画館でみたかった!!映画館映えするシーンがたくさんあった...
ただ今はもう後の祭りなので...しょうがないですね(笑)
素晴らしい作品に仕上がっているので、ぜひぜひご覧ください。
それでは、また。